建設業の許可要件を満たせなくなった場合

建設業,許可
もし建設業の許可要件を満たせなくなった場合は、どのような対処をすればよいのでしょうか?
建設業の許可要件のうち、以下の場合です。
@経営業務の管理責任者(常勤役員等)が退職・長期休職
A専任技術者が退職・長期休職
B財産的基礎の要件を満たせなくなった
これらの事態となった場合に、直ちに建設業許可が無くなるのでしょうか?ここでは、このような疑問について解説します。

まず、建設業の許可要件の確認タイミングとしておさえておきたいのは、
・人の要件のタイミング・・・変更後2週間以内の届出が必要。
・財産的基礎要件が確認されるタイミング・・・更新などの許可申請時。
ということです。

人の要件のタイミング

@、Aの経営業務の管理責任者や専任技術者の退職といった人の要件は、一般建設業許可、特定建設業許可のいずれであっても、退職や長期休職などで常勤できない事態になった時点で許可要件を満たさなくなってしまいますので、後任として他の常勤役員や有資格者への変更を届け出る必要があります。もし、後任がいない場合は、建設業の許可要件を満たせなくなってしまうため、廃業届出を提出して廃業するしかありません。廃業といっても、建設業の許可を失うだけで、建設業自体を廃業する必要はありません。500万円未満の軽微な工事であれば請負うことはできます。
専任技術者の場合も同様ですが、複数業種の許可を有しており、それぞれ専任技術者がいる場合や、複数の営業所毎に専任技術者がいる場合などは、一部の専任技術者の後任が以内のであれば、全部廃業ではなく、一部廃業ということになります。

財産的基礎要件が確認されるタイミング

建設業,許可
財産的基礎の要件をみたせなくなったことで問題となるのは特に特定建設業許可の場合です。財産的基礎の要件は、一般建設業許可、特定建設業許可のいずれであっても、常にこの要件を満たしていなければならないわけではありません。なぜなら、財産的基礎等の要件は新規・更新・業種追加といった許可申請のタイミングで行われるからです。
ちなみに建設業の許可を取ると、毎年、決算報告書を許可行政庁に届出を行わなければなりません。
例えば、今期の業績が落ち込み、決算内容として特定建設業許可の要件を満たすかどうかに関わらず決算報告書を許可行政庁に届出なければなりませんので、当然、許可行政庁はその内容を確認するわけですが、この決算報告をもって財産的基礎等の要件が確認されることはありません。つまり、財産的基礎の要件を満たさないからといって、すぐに特定建設業許可が無くなるということにはならないのです。
財産的基礎等の要件は新規・更新・業種追加といった許可申請のタイミングで、「基準を満たしているかどうかの判断は、原則として既存の企業にあっては申請時の直前の決算期における財務諸表により、新規設立の企業にあっては創業時における財務諸表により、それぞれ行う。」、つまり許可行政庁に届出た直近の決算報告における財務諸表で判断されます。

 

しかし、建設業許可の更新申請や業種追加申請を行う場合は気を付けなくてはなりません。直前の決算内容によって財産的基礎等の要件を確認されることになります。例えば、更新が1年以内に迫っているときの決算報告で、特定建設業許可の要件を満たすことができない場合を考えてみましょう。要件を満たしてないのですから更新申請の許可は取れないことが明らかですので、更新申請までに対処しなければ許可を失うことになってしまいます。
対処方法としては、特定建設業許可の財産的基礎の要件を満たせない場合であれば、一般建設業許可に変更しておけばいいのです。変更といっても、この場合は、「般特新規」という申請になり、変更という手続きではなく新規に許可を取り直すことになります。
なお、一般建設業許可であれば、財産的基礎の要件を満たせなくなったとしても問題はありません。一般建設業の場合の更新申請においては、「許可申請の直前に過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること」という財産的基礎の要件がありますので、許可を更新できます。

増資によって要件をクリアできる?

増資によって要件をクリアできるかどうかを検討すべきなのは、上記のとおり特定建設業の場合です。特定建設業許可の要件については、申請直前の決算における財務諸表で「資本金」の額だけ要件に満たない場合、許可申請までに増資をして資本金の要件を満たすことで、財産的基礎等の要件をクリアすることができます。

 

まとめ

財産的基礎等の要件は許可申請直前の決算報告書の内容によって確認されるので、要件を満たせないからといってすぐに許可が無くなるわけではなく、更新などの申請時に確認されます。一般建設業では、更新申請時に財産的基礎等の要件を満たせない場合でも財産的基礎等の要件は確認されないので許可を更新できます。特定建設業の場合は、財産的基礎等の要件を確認されるので要件を満たせてなければ更新は許可されません。「資本金」の額だけ要件に満たない場合は、増資で対応できます。

 

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