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直前3年の各事業年度における工事施工金額(直3完成工事高)

許可申請時直前の決算期から起算して過去3年間の事業年度の完成工事高です。申請又は届出をする日の直前3年の各事業年度に完成した建設工事の請負代金の額を記載します。建設業の新規許可申請や決算変更届を行う際、必要な添付書類の一つです。以下にポイントを解説しています。

直3完成工事高とは

許可申請時直前の決算期から起算して過去3年間の事業年度を記載します。
「許可に係る建設工事の施工金額」の欄は、許可に係る建設工事の種類ごとに区分して記載し、「その他の建設工事の施工金額」の欄は、新規申請の場合は、許可を申請しない建設業の業種の施工金額を記入します。(許可を有しない「軽微な工事」も含みます)
決算変更届、業種追加申請、般特新規申請においては、許可を受けていない建設工事について記載します。「軽微な工事」もこれに含まれます。

 

次に、施工金額を、元請(官公庁、民間)、下請に分けて記載します。
この表においては、「元請」とは施主から直接受注した工事のことです。そのうち施主が官公庁の場合は、「公共」に、それ以外のものは「民間」に記入します。直前年度の合計額は、財務諸表の損益計算書の「完成工事高」と一致していなくてはいけません。

 

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直3完成工事高に含めることができない業務

建設業法上の建設工事に当たらない業務を完成工事として含めてしまわないよう注意が必要です。建設工事に当たらない業務を含めるkとは虚偽申請となって処分の対象となる可能性があります。では、どのような業務に留意すべきでしょうか?
工事経歴書の記事で、「工事経歴書に記載できない業務とは?」で解説している内容は、そのまま直3完成工事高に含めることができない業務ということになります。

 

建設工事に該当しない業務は多々ありますので、これを定義するのは難しいですが、建設工事に該当する業務の定義は建設業法に規定されていますので、この規定に該当しない業務については、同じ工事現場で行う作業であっても、あるいは建設業と類似に見えるとしても、建設工事には該当しないということになります。
建設工事に該当する業務について、定義のポイントは、
@名目に関わらず、実態として、報酬を得て建設工事の完成を目的とする請負契約であること。
A土木・建築工事、設備工事であって建設業法に例示される「29の工事業種」に該当すること。
の2点です。

※請け負うとは、「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を与えることを約する契約」を言います。(民法第632条)

29の工事業種の詳細は「建設工事の種類」の記事を参照してください。

 

これらに該当しなければ、類似業務であっても建設業法上の建設工事には当たりません。
以下に、同じ工事現場の業務であったり、請負と紛らわしい契約であったりしても、建設工事に該当しない業務の例を記載します。
発注者から「草刈工事」や「道路清掃工事」、「点検工事」など工事という名称で発注されたものであっても、これらの業務は工事に該当しませんので、工事の施工実績として記載できません。このような業務の実績については工事経歴書に記載できませんので、兼業の業務として扱うことになります。

 

1.請負契約でないもの
・自社で施工する建売用住宅の建築
  (自社で施工するので請負ではありません)
・自社の建物の建築・修繕工事
・建設資材、建売住宅の販売
 (売買契約であって、請負契約ではありません)
・常用工事・人工出し
※常用(常傭)工事: 一日工事に参加するといくらもらえるかという業務委託契約。単価契約。

(常用工事・人工出しは、建設現場への労働者派遣に該当し、建設工事の請負ではありません。なお、建設工事に労働者を派遣することを禁止している「労働者派遣法」に抵触するおそれがあります)

 

注)建設資材などの物品の販売であっても単なる物品や機器の販売等ではなく、据付工事を含む契約である場合は、発注者に対して建設工事の完成を請け負うような契約解され、建設業許可が必要となる場合があります。

 

2.「建設業法に例示される29の工事業種」に該当しないもの
・工事現場の警備
・樹木の伐採・剪定、草刈り
・道路清掃
・設備や機器の運転管理や保守点検業務
・測量や調査(土壌試験、ボーリング調査を伴う土壌分析、家屋調査等)
・建設機械や土砂などの運搬業務
 (重量物の運搬・配置はどび土工工事)
・船舶や航空機など土地に定着しない工作物の建造
・建設資材(生コン、ブロック等)の納入
・工事現場の養生(換気扇にビニールをかぶせる、窓にシートを張るなど。
 注)「はつり工事」は「とび・土工工事」に該当します。
・トラッククレーンやコンクリートポンプ車リース
 (ただし、オペレータ付きリースは工事に該当)

 

決算期を変更がある場合の注意点

この直3完成工事高の表は、「過去3年間」分であり、3期分ではないことに注意が必要です。決算期を変更した場合は、4期分となることがあります。
なお、事業年度は定款などで確認します。(個人の事業年度は、1月1日〜12月31日と決まっています)

例1:事業年度が4月1日〜翌3月31日で、申請日が20△5年12月×日の場合
直前の決算期は20△5年3月31日です。ここから過去3年間の事業年度について記入します。
つまり、20△2年4月1日〜20△3年3月31日
20△3年4月1日〜20△4年3月31日
20△4年4月1日〜20△5年3月31日
の3期分の工事について記載します。

 

例1:上記の決算期と申請日の例において、決算期を9月末に変更していた場合
決算変更届提出の際は、
20△2年4月1日〜20△3年3月31日
20△3年4月1日〜20△4年3月31日
20△4年4月1日〜20△5年3月31日
20△5年4月1日〜20△5年9月30日
の4期分が必要になります。

 

請負代金が500万円以上の施工実績がある場合は?

建設業の許可を受けていない場合には、軽微な工事しか請負うことはできません。
 「軽微な工事」についてはこちら
従いまして、500万円以上の金額の工事(※)を請け負うことは違法です。
(※)建築一式工事」の場合は、1,500万円以上の工事で延べ面積が150u未満の木造住宅。
このような施工実績があった場合は、どうすればよいでしょうか?
もちろん、実績として施工しているのに、記載しないというような不正な申請を行うことはできません。そのこと自体が欠格要件にも該当してしまいます。
東京都の場合は、新規申請を行う場合には、悪質な場合を除けば、新規申請をするのだからということで、あまり厳しい対応はしていないようですが、注意は必要です。

 

「その他の建設工事」の計上は重要

直3完成工事高の表においては、「その他の建設工事の施工金額」の欄については実は非常に大切です。下図の赤丸の欄です。
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なぜかといいますと、それは、新規申請、決算変更届のいずれの場合においても、許可申請する工事業種あるいは許可を持っている工事業種以外の工事について、この「その他の工事」として計上しておかないと、後でその業種について業種追加申請で許可を取りたいと思っても、実際に長年に渡ってその追加しようとする業種の工事を請負っていたとしても、その証明ができず実務経験としては認められないということにりかねないからです。

 

この、その他の建設工事の計上の重要性については、別な記事(その他の建設工事の計上の重要)で詳しく解説していますので、ぜひそちらもお読みください。

 

まとめ

直3完成工事高とは、許可申請時直前の決算期から起算して過去3年間の事業年度の完成工事高です。
建設工事に該当しない点検、草刈りなどの業務を記入できません。これらは兼業の扱いになるからです。特に、経営事項審査において、建設工事に該当しない業務を含めていると虚偽申請を疑われるので、建設工事に該当する業務か、建設業の営業なのかを常に注意していることが必要になってきます。

 

 

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