登録基幹技能者制度

建設産業において生産性の向上、品質の確保を図るため、建設現場において中核的な役割を担う基幹技能者を新たに「建設業法施行規則」に位置付けられ、登録基幹技能者講習について規定されることになりました。
経審においても、技術力の審査項目に登録基幹技能者講習修了者が追加されました。(3点)
登録基幹技能者は、熟達した作業能力と豊富な知識を持つとともに、現場をまとめ、効率的に作業を進めるためのマネジメント能力に優れた技能者で、 専門工事業団体の資格認定を受けた者です。 現場では、いわゆる上級職長などとして、元請の計画・管理業務に参画し、補佐することが期待されています。

 

主任技術者の要件への認定
専門工事に関する実務経験年数が、建設業法(昭和24年法律第100号)に定める主任技術者と同等以上と認められるものについて、主任技術者の要件を満たす者として位置付けることとし、建設業法施行規則及び施工技術検定規則の一部を改正する省令(平成29年国土交通省令第67号)により、許可を受けようとする建設業の種類に応じて国土交通大臣が認める登録基幹技能者については、主任技術者の要件を 満たすこととされました。また、平成31年4月から本運用を開始した建設キャリアアップシステム(CCUS)では、認定基準の最高位として登録基幹技能者が位置づけられています。

 

登録基幹技能者講習修了証の記載に注意
主任技術者として認められるためには、修了証に「この者は(建設業種名)について、建設業法第26条第1項の主任技術者の要件を満たす者であると認められます。」との記載が必要です。

 

登録基幹技能者は、一般建設業許可における専任技術者になることができます。
『登録基幹技能者』を国家資格と同様に取り扱っている訳ではありません。
『登録基幹技能者』は、その講習を受講するための要件である、“10年以上の実務経験及び3年以上の職長経験”を認められた者であるので、建設業許可の専任技術者となり得る“10年以上の実務経験”についても同様に認めるという事です。
従って、実務経験では要件を満たさないもの(指定建設業における特定建設業の場合)には、登録基幹技能者では専任技術者になることはできません。
なお、有効期限が切れていても、実務経験は認められます。

 

登録基幹技能者の資格要件
登録基幹技能者講習を受講するためには、次の要件を満たしている必要があります。
・当該基幹技能者の職種において、10年以上の実務経験
・実務経験のうち3年以上の職長経験
・実施機関において定めている資格等の保有(1級技能士、施工管理技士等)

 

登録基幹技能者の役割
登録基幹技能者は、現場において次のような役割を担っています。
(1)現場の状況に応じた施工方法等の提案、調整等
(2)現場の作業を効率的に行うための技能者の適切な配置、作業方法、
  作業手順等の構成
(3)生産グループ内の技能者に対する施工に係る指示、指導
(4)前工程・後工程に配慮した他の職長との連絡・調整                                                                                                                                                                       登録基幹技能者講習は、人材開発支援助成金の対象訓練です。従業員が受講した場合は、申請すれば助成金が支給されます。
登録基幹技能者講習の有効期限は5年です。期限前に更新講習をうけましょう。    

人材開発支援助成金について
人材開発支援助成金は、労働者の職業生活設計の全期間を通じて段階的かつ体系的な職業能力開発を効果的に促進するため、雇用する労働者に対して職務に関
連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための職業訓練などを計画に沿って実施した場合や人材育成制度を導入し労働者に適用した際に、訓練経費や訓練期
間中の賃金の一部等を助成する制度です。
支給対象事業主及び事業主団体等は雇用保険適用事業所であることが必要です。

                                                                                                    登録基幹技能者制度の種類は増えてきているのですが、現在は以下の35種類あります。
今後も増えていく可能性はあると思います。

 

<注意事項>
(1)平成30年4月1日前に交付された講習修了証(旧様式)の場合は、以下の基幹技能者は10年以上の実務経験を確実に有していないため、主任技術者の要件を満たしているとされていません。
2.登録橋梁基幹技能者
6.登録トンネル基幹技能者
22.登録外壁仕上基幹技能者
30.登録標識・路面標示基幹技能者
34.登録ALC基幹技能者
35.登録土工基幹技能者

 

(2)土木工事業については、主任技術者の要件として認められていません。
下記の基幹技能者講習の受講においては、「土木工事業」についても実務経験を有する建設業の種類として定められていますが、主任技術者として認められるわけではないので注意しましょう。
9.登録機械土工基幹技能者講習
11.登録PC基幹技能者講習及
27.登録運動施設基幹技能者講習

 

基幹技能者資格区分 講習実施団体 主任技術者として認められる建設業の種類
1.登録電気工事基幹技能者 日本電設工業協会 電気、電気通信
2.登録橋梁基幹技能者 日本橋梁建設協会 鋼構造物、とび・土工
3.登録造園基幹技能者

日本造園建設業協会
日本造園組合連合会造

造園
4.登録コンクリート圧送基幹技能者 全国コンクリート圧送事業団体連合会 とび・土工
5.登録防水基幹技能者 全国防水工事業協会 防水
6.登録トンネル基幹技能者 日本トンネル専門工事業協会 とび・土工
7.登録建設塗装基幹技能者 日本塗装工業会 塗装
8.登録左官基幹技能者 日本左官業組合連合会 左官
9.登録機械土工基幹技能者 日本機械土工協会 とび・土工
10.登録海上起重基幹技能者 日本海上起重技術協会 しゅんせつ

11.登録PC(プレストレスト・
  コンクリート)工事基幹技能者

プレストレスト・コンクリート
工事業協会

とび・土工、鉄筋
12.登録鉄筋基幹技能者 全国鉄筋工事業協会 鉄筋
13.登録圧接基幹技能者 全国圧接業協同組合連合会 鉄筋
14.登録型枠基幹技能者 日本型枠工事業協会 大工
15.登録配管基幹技能者

日本空調衛生工事業協会
日本配管工事業団体連合会
全国管工事業協同組合連合会

16.登録鳶・土工基幹技能者

日本建設躯体工事業団体連合会
日本鳶工業連合会

とび・土工
17.登録切断穿孔基幹技能者 ダイヤモンド工事業協同組合 とび・土工
18.登録内装仕上工事基幹技能者

全国建設室内工事業協会
日本建設インテリア事業協同組合連合会
日本室内装飾事業協同組合連合会

内装仕上

19.登録サッシ・カーテンウォール
  基幹技能者

日本サッシ協会
カーテンウォール・防水開口部協会

建具
20.登録エクステリア基幹技能者 日本エクステリア建設業協会 タイル・れんが・ブロック、とび・土工、石
21.登録建築板金基幹技能者 日本建築板金協会 板金、屋根
22.登録外壁仕上基幹技能者 日本外壁仕上業協同組合連合会 塗装、左官、防水
23.登録ダクト基幹技能者

日本空調衛生工事業協会
全国ダクト工業団体連合会

24.登録保温保冷基幹技能者 日本保温保冷工業協会 熱絶縁
25.登録グラウト基幹技能者 日本グラウト協会 とび・土工
26.登録冷凍空調基幹技能者 日本冷凍空調設備工業連合会
27.登録運動施設基幹技能者 日本運動施設建設業協会 土木、とび・土工、ほ装、造園
28.登録基礎工基幹技能者

全国基礎工事業団体連合会
日本基礎建設協会

とび・土工
29.登録タイル張り基幹技能者 日本タイル煉瓦工事工業会 タイル・れんが・ブロック
30.登録標識・路面標示基幹技能者 全国道路標識・標示業協会 とび・土工、塗装
31.登録消火設備基幹技能者 消防施設工事協会 消防施設
32.登録建築大工基幹技能者 全国中小建築工事業団体連合会 大工
33.登録硝子工事基幹技能者 全国板硝子商工協同組合連合会 ガラス工事
34.登録ALC基幹技能者 ALC協会 タイル・れんが・ブロック
35.登録土工基幹技能者 日本機械土工協会 とび・土工

 

 

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