建設業許可に関するQ&A
【建設業許可】
Q.次のような作業を元請が協力会社と請負契約をする場合、協力会社において建設業許可は必要ですか?
@ 発注者から貸与された機械設備の運転管理
A ボーリング調査を伴う土壌分析
B トラッククレーンやコンクリートポンプ車のオペレーター付リース
C 河川工事における警戒船業務
D 測量・調査工(土壌試験・分析・家屋調査等)
A. 建設工事の完成を目的とした契約を締結し、一定額以上の工事を請負う場合は、建設業の許可が必要となります。
@ACDについては、建設工事には該当しないと考えられますが、契約の内容及び作業(工事)の内容を契約ごとに個別に判断する必要があります。
Bについては、建設機械のリースをオペレーター付で契約するものと考えられますが、オペレーターが行う行為は建設工事の完成を目的とした行為と考えられ、建設工事の請負契約に当るものと考えられます。
Q.請負契約の場合と、単価契約の場合の違いがあれば教えてください。また、単価契約をした場合、施工体制台帳及び施工体系図に記載する必要がありますか?
A.単価契約の場合についても、実態として建設工事の完成を目的として締結されているのであれば、建設業法の適用を受けます。
【請負契約】
Q.警備会社と契約し、ガードマンを派遣してもらいました。これは、下請負契約になりますか?
A.ガードマンの派遣については、派遣契約にあたるものと考えられ、建設工事の下請負契約には当らないものと考えられます。建設業法第24条で「請負契約とみなす場合」として、「委託その他何らの名義をもってするを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。」とされており、契約の実態に則して判断する必要があることに注意を要します。
Q.土工機械をオペレーター付きで専門業者と常用(施工範囲等の指定は行わず、元請の技術者の指示により作業)で契約した場合、下請契約になりますか?
A.土工機械をオペレーター付きで契約する場合、オペレーターが行う行為は建設工事の完成とした行為と考えられ、基本的には建設工事の下請契約に当るものと考えられます。
【軽微な工事】
Q.軽微な工事(500万円未満)は建設業許可がなくても請け負うことは可能ですが(建設業法第3条1項)、独立した工種毎に契約があり、個別には請け負い金額が500万円未満だが、合計すると500万円以上になる場合、軽微な工事の範囲となりますか?
A.工事の完成を二つ以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の合計額とする事になっていることから、軽微な工事の範囲とはならないと考えられます。
Q. 軽微な工事(500万円未満)は建設業許可がなくても請け負うことは可能ですが、建設業法施行令第1条の2第2項に「ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない」とありますが、具体的にはどのようなケースなのか例示して下さい。
A.「正当な理由」があると認めるには、建設業法の適用を逃れるために契約の分割を行うものではないことを十分に説明できることが必要で、個別のケースに応じて許可行政庁により判断されます。
Q.新規申請時に、500万円を超える工事があった場合、工事経歴書には記載すべきですか?
A.建設業の許可を取得していない場合は、「建築一式工事」以外の場合では、500万円未満の工事は適法に請負うことができます。
建設業の許可を取得せずに、500万円以上の工事を請負うことは違法です。
しかし、工事経歴書は、工事をしたのに記載しないのは虚偽記載にあたります。これらの工事も含めてすべて記載しなければなりません。
東京都の場合、このようなケースでは許可申請の前に事前相談が必要です。
なお、上記の請負金額は「消費税及び地方消費税」を含むこと、また、注文者が材料を提供し、請負代金に材料価格が含まれない場合であっても、その市場価格及び運送費を含むことに注意してください。
【専任技術者】
Q.専人技術者の実務経験において、資格がなければ従事できない工事に無資格で従事していた経験は、実務経験として認められますか?
A.認められません。実務経験証明書には、
・資格が無くても従事できる工事については記載できる。
・資格が無ければ従事できない工事については、資格を得た後に従事した工事しか記載できない。
特に、電気工事、消防施設工事は、法令で資格がなければ従事できない工事かどうか確認が必要です。
解体工事は、建設リサイクル法施工後は、軽微な建設工事であっても同法に基づく解体工事業登録が必要です。
【配置技術者の専任】
Q.営業所ごとに置かなければならない専任技術者を、現場代理人として工事現場に従事させることは建設業法違反になりますか?
また、営業所と工事現場が至近距離であり、朝夕ともに営業所からの出社退社が可能な場合、専任技術者を、現場代理人として工事現場に従事させることは建設業法違反になりますか?
A.営業所の専任技術者は、その営業所に常勤して専らその職務に従事することが必要であり、現場代理人が現場に常駐となる場合には、専任技術者としての職務が果たせなくなるので、建設業法上は、専任技術者の設置違反(建設業法第7条第2号、第15条第2号)となります。
営業所と工事現場が至近距離であっても営業所の専任技術者が工事現場に常駐となる場合は、建設業法違反になります。
【一括請負】
Q.元請から建材商社が下請負をして、当社が再下請負をしましたが、建材商社の主任技術者は3日に1回程度しか現場に来ません。このような施工体系の場合、一括下請負に該当しますか?
A.建材商社の工事への実質的関与が認められなければ一括下請負に該当します。 ご質問の工事で、建材商社の主任技術者が3日に1回程度しか現場に入場でず、下請である貴社が元請の管理・指導を直接受けて下請負工事を主体的に行った場合は、一括下請負に該当する可能性が高くなります。
Q.受注した建築工事で建築工事業の技術者が諸事情により不在になってしまい、 その工事を他社に一括下請負を行った場合、建設業法違反になりますか?
A.主任技術者又は監理技術者が不在になってしまった等、いかなる事情又はいかなる時点であっても他社に一括下請負を行った場合は建設業法違反 となります。
(国交省H/Pを抜粋参照)
注)池森行政書士事務所では、本Q&Aの内容に関して電話等での御質問は受け付けておりませんので御了承ください。
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