事業年度終了変更届(決算報告)について

建設業許可業者には決算が終わってから4ヶ月以内に「事業年度終了変更届」(決算報告)を提出しなければなりません。
これは、税務申告書とは別で、決算書の財務諸表を建設業法で規定されている財務諸表に組替えたもの、1期分の工事経歴書、直近3年の完成工事高などの書類を作成し、納税証明書と併せて提出します。
届出の名称が「決算変更届」ですので、決算の内容に変更があったときに届出するのでは?と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
これは毎年、必ず届出が必要なのです。
事業年度が終了すると税務署への確定申告は、税理士さんに依頼するなどして対応されていると思いますが、建設業の許可業者の場合は、この税務署への申告の後に、建設業の許可を受けた行政庁にも一事業年度の報告書として届出を行う義務があります。
決算という言葉ですが、決算書だけではなく、1年間の工事の実績、過去3年間の完成工事高も報告しなければならず、納税証明書も添付する必要があります。
従いまして、税務署への確定申告が終わって、納税して2、3ケ月くらいだとすると、残りは1ケ月くらいしかありません。
以外と、時間がないのです。

 

決算報告として提出する書類について
以下の書類をそろえて提出します。
・変更届出書
・工事の実績
 @直近3年間分の工事業種別、公共・民間工事別、元請下請別の年間完成工事高
 A直前年度の工事経歴書
 ※上記の@直3完成工事高、A工事経歴書については、「直3完成工事高」、「工事経歴書」の記事で詳しく解説しています。
・財務諸表(税務申告の決算書そのものではなく、建設業法で既定された財務諸表。詳しくは「財務諸表作成の注意点」の記事で解説しています。)
・法人事業税の納税証明書(直前年度分)
・その他必要に応じて提出する書類

 

決算変更届を届け出なかった場合の直接の罰則規定は、建設業法第50条に懲役刑や罰金刑などが科されています。
それもありますが、建設業者さんにとっては
・建設業許可の更新が受け付けてもらえない
・業種追加の申請も受け付けてもらえない
という事態になってしまいます。
更新ができなければ、許可は無くなってしまいます。

 

納税証明書については「納税証明書」をご覧ください。

 

罰則規定
事業年度終了変更届やその他の変更届は、提出を怠ると罰則規定がありますので注意が必要です。
建設業許可の更新、業種追加などの申請の際に必要!
建設業許可の更新、業種追加、般特新規などを申請するためには、毎年の事業年度終了変更届(決算報告)とその他の変更届出(届出が必要とされている事項に変更がある場合)を全て提出していることが前提となります。これら変更届が全て提出されていない場合は、更新申請はできません。
事業年度終了変更届を含む各種変更届は法定の期限(事業年度終了後4ケ月以内)が決められており、本来はその期限内に届出をする必要があります。

決算変更届を提出しなかった場合

事業年度終了届(決算変更届)とは、決算終了後、4か月以内に事業者が財務諸表、工事経歴書、納税証明書などを報告するものです。税務申告用に税理士が作成した決算書(貸借対照表や損益計算書)および工事の実績を許可行政庁(建設業許可を出した役所)に提出します。
「決算終了後、4か月以内」というと、余裕がありそうですが、税務申告して納税してから納税証明書を取得する必要があるので、そんなに余裕はありません。

 

事業年度終了届(決算変更届)を提出しないと、どうなるのでしょうか?
具体的には、下記の手続きができなくなります。
(1)建設業許可の更新(5年毎)
(2)建設業の業種追加
(3)経営事項審査
特に、更新や経営事項審査ができなくなるというのは建設業許可業者にとっては大きな問題です。更新の手続きをスムーズに行うためにも、税務申告の後に、事業年度終了届(決算変更届)の提出を忘れずに対応いただければと思います。実は、遅れた分をまとめて提出することもできますが、事業年度終了届(決算変更届)作成には時間が掛かるため、更新手続きギリギリの場合は、更新手続きが間に合わない可能性もあります。
更新手続きが間に合わなければ、再度新規で建設業許可を取得しなおすことになり、許可がない空白期間が3ヶ月程できてしまいます。
事業年度終了届(決算変更届)を提出しない場合は、建設業法第50条により「6か月以内の懲役、又は100万円以下の罰金」と厳しい罰則規定が定められています。実際には、遅れてもすぐに罰則を科されることは少ないかもしれませんがご留意いただければと思います。

 

建設業許可(都知事許可)のよくあるご質問(FAQ)
 決算報告は、更新のときにまとめて提出してはいけませんか。
決算報告は、毎事業年度終了後4ヶ月以内にご提出するとが、建設業法において義務付けられています。提出がないと、業種追加申請や更新申請はできません。
提出をせずにいて更新のときにまとめて行おうとしても、3年以上過去に遡って納税証明書が取得できない場合があります。
この納税証明書が無いと決算報告ができません。そうなりますと、更新の申請ができない、つまり許可の継続が困難になるケースが見受けられます。
また、ここ数年、建設業法施行規則の改正が複数回あり、決算期の時期によって使用する様式が異なります。したがって、過去の決算報告をまとめて作成しようとしても、古い様式が東京都のホームページに掲載されておらずて多大なる労力と時間がかかってしまうということもあります。
必ず事業年度ごとに提出することを心がけましょう。

 

 

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