建設業の廃業届の提出
廃業届とは、建設業許可の要件を欠いた場合に許可を有する業者等が許可行政庁へ提出するもので、これが提出されることにより,許可行政庁は満了日を待たずに建設業許可を取り消します。したがって,違法行為等に基づく許可取消しとは異なります。
建設業許可の要件を欠いたといっても、建設業自体を廃業するということではありません。建設業法上、建設業許可が無くとも軽微な建設工事(工事1件の請負金額が500万円に満たない工事(建築一式工事であれば1,500万円に満たない工事又は延べ面積が150平方メートルに満たない木造住宅工事)を行うことはできます。
建設業許可の29業種のうち,一部の業種について許可要件を欠いた場合は、一部廃業を届出ることで、その要件を欠いた工事業種については建設業の許可は無くなりますが、他の許可業種については引続き許可を有しています。
これ以外にも、会社の破産、個人事業者の方が亡くなってしまい後継者がいない、自主的に廃業する、など事業そのものを廃業するケースにおいても廃業届を許可行政庁に提出する必要があります。
廃業届は廃業になった日から「30日以内」に届け出なければなりません。
なお、注意点としてですが、廃業になっても廃業届を提出せずにそのまま放置されるケースも見受けられます。このような場合、許可の有効期間内に更新をしなければ有効期間が切れてしまうわけですが、廃業の届出がされない場合は、許可の有効期限満了時に自動的に抹消されるので、営業を継続することができなくなります。許可行政庁に許可の抹消という記録が残ってしまい、再度許可を受けようと思っても、経管の経験などで、許可を持っていた期間等が認められない可能性もあるため、許可申請時に支障をきたすことになってしまいます。
建設業の廃業届の提出する場面は、以下のようなケースになります。
- 個人事業主が亡くなったとき
- 法人が合併によって消滅したとき
- 会社が破産手続き開始の決定により解散したとき
- 法人が合併、又は破産以外の理由で解散したとき
- 許可を持っている建設業(全部、または一部)廃業したとき
届出する者:相続人(配偶者、直系尊属、子など)
(提出書類)
・相続人の印鑑証明書
・戸籍謄本
届出する者:消滅時に役員であった者
(提出書類)
・役員個人の印鑑証明書
・解散登記後の弊さ事項全部証明書
届出する者:原則、破産管財人(破産手続き終了後は、元役員。)
(提出書類)
・「破産管財人及び印鑑証明書」(裁判所発行)
・「破産管財人資格証明書」及び破産管財人本人の
印鑑証明書のいずれか。
届出する者:清算人(精算結了後は、元役員。)
(提出書類)
・清算人の印鑑証明書
・履歴事項全部証明書(清算人が確認できること)
@届出する者:法人の代表者(申請人)
(提示書類)
・代表印の印鑑証明書
A届出する者:法人の代表者(申請人)以外の役員
(提出書類)
・その役員個人の印鑑証明及び履歴事項全部証明書
B届出する者:個人事業主の場合は本人
(提示書類)
・運転免許証
一部廃業とは?
一部廃業は建設業許可を完全に取り止めるのではなく、経営業務の管理責任者や専任技術者の退職や交代で建設業許可の29業種のうち、一部の業種について許可要件を欠いた場合に、要件を満たさなくなった業種を削除する手続きです。
この場合、一部廃業の届出だけでなく、経営業務の管理責任者や専任技術者の変更の届出も必要となります。
届出の期限は、廃業届は「廃業になった日から30日以内」ですが、経管や専技を削除する届出書は「変更後14日以内」と締め切りが異なりますので、気を付けましょう。
【例】
・複数の専任技術者の退職等で不在となり後任者がいない場合
・専任技術者の交代で、その資格の違いから許可業種が減少した
・支店を閉鎖した
専任技術者の退職等でも後任者がいて保有資格も同じであれば、専任技術者の変更届を提出すればよく一部廃業する必要はないのですが、上記の例のような場合には、一部廃業届を提出する必要があります。
この場合、提出資料として、
「後任の技術者に交代した上で一部廃業(営業所の業種廃止) する 場合は、様式第8号(専任技術者証明書)及びその確認資料を添付する。
後任者がおらず 、技術者を削除するのみの場合は、様式第22号の3(届出書)を添付する。」
となっております。
この「届出書」について、少し解説しておきます。
この「届出書」は、変更届出書と名前が似ているのですが全く別物です。以下の場合に提出する書類となっています。
(1)営業所の廃止、営業所の一部業種の廃止
(2)常勤役員等+直接補佐者で許可要件となっている場合に、この常勤役員等が経営業務の管理責任者に変更する場合
(3)専任技術者の削除で後任がいない場合
(4)欠格要件に該当するに至ったとき
つまり、専任技術者の削除をする際に、欠格要件に該当するに至ったために削除するのかどうかを記載することができる(記載する必要がある)書類ですので、上記の例のような欠格要件に該当するわけではなく、事業上の都合で削除する場合には、そのことを明確に申告するようになっているのです。
仮に届出書を提出せずに、廃業届だけを提出してしまうと、欠格要件等に該当しているのを隠すために廃業届だけを提出して許可の再申請を受けようとするのではないかとうような疑義が出てくるからではないかと推察します。結構、重要な意味を持つ書類ではないかと思っております。
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