海外工事の実績は評価される?
海外工事の実績は経営事項審査で評価されるかについては、評価対象とできる場合があります。この記事ではどのような場合に評価対象となるのか、またその手続きについて解説しています。
国土交通大臣が認定した子会社を外国に有する建設業者に係る経営事項審査の取扱い
日本法人の建設業者が海外で建設工事を受注しようとする際には、進出先国の規制により海外子会社を設立しなければならない場合等があることから、建設業者の活動範囲が国内外を問わず拡大している中で、その経営の実態を適正に評価していくことが求められているとして、建設業者の海外進出意欲の醸成を図る観点から、建設業者の海外子会社について、国土交通大臣が認定うぃ受けていれば経営実績を評価対象に含めることとされています。
経営事項審査において、本邦親会社及び外国子会社の経営規模に係る次の数値について、国土交通大臣に申請し、認定を受けた場合には、当該数値を評価の対象とすることができます。
・外国子会社の完成工事高
・親会社及び外国子会社合算の利益額及び自己資本額
1.外国子会社の認定について
外国子会社の認定については、以下の要件を満たす必要があります。
(1) 外国子会社経審の申請者(以下、申請者)は、日本に主たる営業所を有する建設業者であること。
(2) 認定の対象となる子会社は、外国に主たる営業所を有するものであって、かつ、申請者の財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という )第8条第3項に規定する子会社であるもの(以下、外国子会社 )。
なお、関連会社(財務諸表等規則第8条第5項に規定する関連会社をいう )は、これに含まない。
(3) 認定の対象となる外国子会社は、経営事項審査を受けていない者であること。
(4) 認定の対象となる外国子会社は、主たる事業として建設業を営む者であること。
(5) 申請者は、その全ての外国子会社について認定の申請を行う必要はない。
2.数値の認定について
(1) 審査基準日
審査基準日は、外国子会社経審を申請する日の直前の申請者の事業年度終了の日となります。
ただし、合併、営業譲渡又は分割に伴う取扱い等により、事業年度終了の日以外を審査基準日として経営事項審査を行う場合は、当該取扱いに併せて外国子会社経審を行うことができます。
(2) 認定基準
次表により算定された数値を認定されます。
経営事項審査の項目 | 各項目の数値の算定方法 | |
---|---|---|
X1 |
建設工事の種類別年間 |
認定を受けた外国子会社(以下「認定外国子会社」と 1年間平均完成工事 いう )の建設工事の種類別完成工事高を合算し、算定する。 |
X2 | 自己資本の額 |
申請者及び認定外国子会社の自己資本の額を合算し、算定する。 |
利払前税引前償却前 |
申請者及び認定外国子会社の利払前税引前償却前利益前利益の額 の額を合算し、算定する。 |
3.認定の申請手続き
認定の申請手続きは、以下のようになります。
(1) 外国子会社並びに申請者及び外国子会社についての数値の認定(以下単に「認定」という )の申請は、下記の書類を提出してしなければならない 。
@ 別紙1の外国子会社並びに建設業者及び外国子会社についての数値の認定申請書
A 認定外国子会社に関する次に掲げるもの
ア 別紙2の外国工事経歴書
イ 外国工事経歴書に記載された工事に係る工事契約書の写し
ウ 貸借対照表及び損益計算書
エ 外国において設立されたものであることを証する書類(法人登記簿に相当するもの等)
オ 子会社としての要件を満たすことが確認できる書類(議決権所有割合が記載された書類等)
B 2の(2)の自己資本の額及び利払前税引前償却前利益の額について、公認会計士又は税理士により、その内容が適正である旨が証明されたもの
認定の手続きは、国土交通省土地・建設産業局建設業課になり、認定された場合は、 国土交通大臣より申請者に対して、外国子会社並びに建設業者及び外国子会社についての数値の認定書を交付されます。
(平成24年5月1日 国土建第55号)
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