身分証明書とは?

身分証明書と聞くと、まず運転免許証、パスポートやマイナンバーカードを思い浮かべる方が多いかと思いますが、建設業許可申請においては、身分証明書とは、その許可要件の内の「欠格要件」に該当しないことを証明するものとして、役員の一覧表に記載した法人の役員(顧問、相談役、株主等は除く)、本人及び令3条使用人)について、提出する必要がある書類です。

 

身分証明書とは?

身分証明書は、本籍地の各区市町村の戸籍事務担当課が発行します。経営業務の管理責任者、調書に記載した法人の役員(顧問、相談役、株主等は除く)、本人及び令3条使用人が、成年被後見人又は被保佐人とみなされる者に該当せず、破産者で復権を得ない者に該当しない旨の区市町村の証明書となっています。
なお、建設業許可申請においては、記載事項として下記、3点の記載が必要です。

1.禁治産又は準禁治産の宣告の通知を受けていない。
2.後見の登記の通知を受けていない。
3.破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けていない。

 (三つの事項を分けて証明書を発行する区市町村がありますが、その場合、不足なく複数枚の証明書を取得しないといけません。)
身分証明書は申請前3ヶ月以内に発行されたものであることが必要です。
建設業,許可

禁治産者・準禁治産者とは
平成11年の民法改正まで使われていた「制限行為能力者」の呼び方です。民法改正により現在の制限行為能力者(成年後見人)の制度に変更になりました。
制限行為能力者とは、「単独でできる法律行為が制限されている者」をいい、具体的には未成年、成年被後見人、被保佐人、被補助人をいいます。

 

請求できる人は、本人もしくは本人から委任された代理人です。
代理人が請求する場合には、委任状が必要になります。配偶者や直系親族の人が代理人となって請求する場合でも委任状が必要です。
どこの市区町村役場でも、郵送での請求を受け付けているようです。
郵送で請求する場合には、手数料を確認して、その額面の定額小為替を郵便局で購入して同封します。
郵送の場合は、請求に必要な書類において、個人番号などの記載されている裏面は送らないようにするなどの注意が必要です。
【請求に必要なもの】
・戸籍に関する証明交付請求書(本人との関係と使用目的を明記)
・窓口に来られる方の印鑑(個人の場合は不要)
・委任状(本人以外の方が請求する場合)
・請求者ご本人の確認ができるものの写し
・手数料 1通 200円
※市区町村役場により異なる場合があります。

破産してない(あるいは復権した)ことはどうやって分かる?

「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」は欠格要件に当たり、建設業の許可は受けられませんし、許可を持っている建設業者が、破産手続きに入って破産手続き開始決定を受けてしまうと、許可の取消し処分を受けることになります。
それでは、復権を得たのかどうかをどのように確認できるのか?といいますと、身分証明書をみれば分かるということになります。
結論からいいますと、身分証明書に「破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けていない。」と記載されていれば、破産手続き中ではない、あるいは復権したということになり、建設業許可の欠格要件には該当しないということになります。
破産法上の免責許可の決定を受けて、それが確定すると復権し、破産者ではなくなります(破産法255条)。
なお、身分証明書をみても過去に破産した事実があるかどうかまでは分かりません。

 

破産をすると、裁判所に「破産手続き開始の申し立て」という手続きをすることになります。この申し立てにより、、いくつかの権利が制限されます。例えば、弁護士や警備員など特定の職業に就くことができなかったり、許可なく引越ができないというような制限を受けます。債務を支払う十分な財産・収入がないと判断されれば、借金の支払い義務の免除が認められます。これを免責といいます。悪質な場合を除いて大抵の人は免責されるようです。免責を受ければ、これらの制限は解除されることになります。これを復権といいます。
復権を得ることができるまでの期間は、同時廃止の場合で3〜4ヶ月、管財事件の場合で4ヶ月〜1年程度はかかります。
「同時廃止」の手続きは、破産者に、高額な財産がない場合(概ね20万円分以下)に行われます。
一方、「管財事件」の手続きは、主要な財産があったり(概ね20万円以上)、債務が5000万円程度を超える高額であるなど、調査すべき事情がある場合に行われるもので、破産管財人が選任され、調査や資産の整理(売却や解約など)を行います。

 

最近、市役所に確認したときのことですが、以前は裁判所から破産者の本籍地の役場に通知が来ていたのが最近はほぼ来なくなったようです。そうすると身分証明書の情報は大丈夫なのかと心配になって調べてみたのですが、意外なことが分かり、大丈夫だと分かりました。
平成17年に破産法や関連の通達が改正があって、これ以降は、最高裁民事局長通達によって、基本的には破産してすぐに本籍地の市区町村役場に通知することはなくなり、裁判所が通知するのは、破産手続き後、数ヶ月先に判断し、免責が許可にならなかった人のみのようです。
ちなみに、個人破産では同時廃止→免責というケースが多いのですが、このようねケースでは一度も破産者名簿に記載されずに終わってしまうことがほとんどのようです。
従いまして、身分証明書に「破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けていない。」と記載されていれば、過去に破産した経験があるかどうかは不明としても、現時点では破産者ではないか復権しているかのいずれかであるということになります。
なお、「破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けている」場合はどうなるのかといいますと、ある市役所では、身分証明書そのものが発行されないということでしたが、「破産手続き開始決定の通知に接した」旨の記載のある身分証明書が発行されるという情報もあるようですが、役所によって対応が違うのかもしれません。いずれにしても破産状態では「破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けていない。」と記載されたものが発行されないことには違いがないので、欠格要件の「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」であるかどうかは、身分証明書のこの文言を確認できればいいわけです。

 

 

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